パシフィック・カーバーズを支えるリンとキャンディ、彼ら二人の現在に至る生い立ちをご紹介します。




Len Kay
Kays...


 その昔、芸術に興味のあったリンは、ファンガレイで開催されていた宝石と鉱物の展示場で、骨の彫刻、いわゆる「ボーンカービング(Bone Carving)」のデモンストレーションに好奇心をそそられました。その後、彼はボーンカービングについての本を購入し、独学により技術の習得に着手するようになります。


 多くの試行錯誤を重ねた末、ただの趣味だった週末のカービング作りは、いつしか精錬された伝統芸術へと姿を変えるようになりました。それらの作品は彼の家族にも評判が良く、しだいに口コミで友達や町の人達からも製作依頼が来るようになりました。


 1988年には小さいながらも彼専用のスタジオを確立し、1991年からは、それまでのキャタピラーセールスマンとしての経歴に終止符を打ち、本格的に事業として、一人の芸術家として、作品作りに専念するようになりました。
 巨大なもの動かす設備(キャタピラー)を売る仕事から、小さな彫刻をコツコツと仕上げる芸術家への転職は、当時56歳のリンにとって、とても刺激的なできごとでした。


 1935年にオークランドから南へ約130kmのハミルトンで生まれたリンはマオリ、アイルランド、そしてイギリスの血筋を引いており、マオリやケルトの伝説や神話、およびそれらの芸術形式の関わりを調査する必要性を感じています。


 大部分の方は次のことに同意するでしょう。古代文化の中で多くのものがデザインにおいて、画一性を持っていたり流れを持っていたりすることを。とくに言えるのは環太平洋エリアで、それはまさしく驚きに値するものです。


 その文化の流れは、リンに新しい意味を含めた全体像をなげかけました。彼はまた本来の爬虫類、鳥類、魚類および動物の緻密な彫刻も楽しんで製作しています。ほとんどの彫刻家のように、彼の初期のデザインはいかに彼の作品が知的に見えるかに重点を置いたような感じでした。しかし、今ではシンプルでありながらももっと優雅な作品に仕上がるように発展しています。


 
 その作業を見ることに飽きてきていたキャンディも、いつしかリンを手伝うようになりました。これで一気に作業効率が二倍です。それはリンにとっては、たいへん喜ばしいことでした。


 ドイツ、アイルランドおよびオグラーラ・スー族インディアンの血筋を引くアメリカ人(現ニュージーランド人)である彼女は精錬された素晴らしい彫刻へ愛情のような魅力を感じました。キャンディは美しい石理のような紋様と無数のパターンをもつ色合いの両方を兼ね備えている鹿角の根元部分(一般に「ボタン」とよばれる)を専門に彫刻することをとくに楽しんでいます。




Candy Kay
 
 現在、パシフィック・カーバーズの作品は6つの大陸、30以上の国に存在しています。そして今回は日本ヘ向けて「エルハーツ・インターナショナル」と契約を結ぶことになりました。すべて天然素材の手作りです。ニュージーランドの先住民族、マオリ族に古来より伝わる伝統芸術「マオリ・カービング」をどうぞお楽しみください。


訳  仲摩 俊浩